2009年6月1日月曜日

北京の意味

北京出張の目的は、上海の友達からの紹介で、日本で展覧会を希望しているイギリス人女性アーティストのHelenに会うことでした。

彼女は、数年前に北京に移住し、北京の古い街、胡同(ふーとん)に猫と一緒に住んでました。



一時、北京オリンピックの時に、この古い胡同を取り壊し、強制退去を強いられていた住民が報道されていましたが、胡同は部分的にではなくいたるところにあり、あの報道は一部の地域の話だったんだな、と認識しました。行かないとわからないもんですね。



北京には意外な再会も待ち受けていました。それは、私をこの現代アートの世界にひっぱりこんだ張本人であり、私が4年間憧れ続けている、中国の現代アートに革命を与えた重要人物であるインディペンデントキュレーターの顧振清(グ・ツェンチン)との再会でした。彼は、Visual Productionsという雑誌の編集長もしていましたが、この経済状況の中、一時見合わせる方針を打ち立てていた事は友人を通して知ってはいましたが、私が再会した顧振清はさらに精力的に世界を相手に、まさにキュレトリアルマシーンが如く飛び回ってました。

ARTiTを通して私は彼を知り、そして、色々な経過を経て知り合いになったわけですが(詳細自ブログ)、彼の経営する文化&芸術センターであり、ギャラリーでもある北京のLi Spaceのゲストルームになぜ私が招待された訳は未だ持って理解不能なわけです。北京は、アジアアートどころか、今や世界の現代アートの中心になりつつあり、上海出身の彼は上海のアートシーンに、それまで政治との癒着でしかなし得なかったアートに、半ば暴力的とも言える方法で経験的な展覧会を通して革命をおこし、その後中国初の現代美術館を上海に建て、その後北京を拠点に構え、北京のアートエリアである798草場地にそれぞれスペースを持つに至り、そして世界のビエンナーレや美術館のキュレーターを勤めながら、今度北京に設けられる美術館のディレクターも勤め、、、、一体彼はどれくらいの事を生きているうちに成し遂げるんでしょうか?そして、そんな彼に期待され、私に一体何ができるのでしょか?まったくもって摩訶不思議なのです。

北京は、行っても行かなくてもどっちでもいいかな〜なんて思ってたわけですが、実際、今後の私の方向性をかなり揺さぶる滞在となり、少々、いや、かなり困惑気味なわけです。

ちなみに、写真はLi Spaceのりっぱな展示作品です。14時間アーティストと今後のアートについて語り合い、ビデオとその痕跡を展示し、ディスカッションした内容を文字化して展示していました。今後、このディスカッションを中国の詩として歌のパフォーマンスを行う予定だとのこと。どこまで革新的なんでしょうか。驚きます。







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