2010年12月14日火曜日

丹野直人「シブヤスタイルVol.4」に参加!



丹野直人が、西武渋谷店で開催される「シブヤスタイル Vol.4」に参加いたします。

次世代のアーティストを紹介する展覧会として第4回目を迎える「シブヤスタイル」には、60名程の若手アーティストが参加し、ペインティング、ドローイング、立体、陶芸など様々な作品が展示されます。

シブヤスタイル vol.4


会期:2010年12月16日(木)〜12月26日(日)

会場:西武渋谷店 B館8階 美術画廊

   〒150-8330 東京都渋谷区宇田川町21-1

   http://bit.ly/fIaSGs





緒方陽一個展「Pony E'rosif」が開催!


「山猫」2008年 紙・水彩・ファンデーション・ミクストメディア 30 x 39.5 cm


緒方陽一の個展「Pony E'rosif」が湯島にあるRoid Works Galleryにて開催されます。

オーピニングは12月19日(日)の17:00〜です。当日は、モデルに緒方作品の彫刻「ヘッドドレス」を装着させ、パフォーマンスが繰り広げられ、緒方の独特の世界観が堪能できるはずです。是非足をお運びください。


Pony E'rosif


アーティスト:緒方陽一
会期:2010年12月19日〜12月25日
オープニング:12月19日 (日) 17:00
会場:東京都文京区湯島4丁目6-12-1F
TEL:03-3812-4712
営業時間:会期中無休 12:00 – 21:00
http://www.roidworksgallery.com/







2010年12月12日日曜日

台湾でのハートウォーミング


11月中旬に台湾に行って来ました。もちろん出張です。
今回の出張は、単純に営業目的のためだったので、経費を押さえる為に安宿を決めたんですが、これが本当に情けなくなるくらいの安宿で、窓からのすきま風に悩まされ、机においたなめかけのキャンディーに虫が湧いていたのには、本当にぞっとしました。唯一救われたのが、ベッドのシーツと布団が清潔だったことくらいです。

台湾の営業活動は、予想通り、、、というか、さんざんな結果となり、本当に身も心もぼろぼろになっていました。これは出張最終日に、台北でも有名なギャラリーから得た情報なのですが、日本アートが何故受け入れられないかと、とっとつと説明があり、彼が体験した事や言っていることは彼にとっても真実だし、それ故の結果かとも思い、一方で納得し、一方では納得できない鬱々とした気持ちをずっと抱えていました。一方、仕事とはうらはらに台湾にはいい友達の縁があり、台北をベースにしていたのですが、台中の、それこそ台湾で一番いいギャラリーの一つ「Da Xiang Art Space」のオープニングに招待され、台中まで足を運びました。新幹線で約1時間、重苦しくていやな雰囲気に包まれた台北から、気候が温暖で開放的な台中へと移ったおかげで、鬱々としていた気分が一気に晴れ、持って行った冬物のコートを投げ捨てたい気分にかられました。

Da XiangのオーナのChungさんは、トロントに移住した中国人フォトグラファーの段岳衡さんの個展を開催し、ギャラリーだけの展示に留まらず、Volkswagenの台中での2店舗でも展覧会も開催し、本当に精力的にこの才能溢れるアーティストを支援していました。Chungさんは言ってました「このアーティストが台中に浸透するまでまだまだ時間がかかると思います。でも、辛抱する事もアーティストを広めて行く行為には重要なことなのよ。」




このアーティストには、30代の娘さんが同行していました。彼女は、ご両親が住むトロントとは別に、自身の勉強のために北京に滞在し、ギャラリーで彼女自身のキャリアを育んでいるそうです。ギャラリーには内緒で父の為に台中に同行し、一生懸命お父さんの功績を写真に収めていました。この台中で最も優れたギャラリーでお父さんの個展を実現したのは、彼女自身がDa Xiangに働きかけ実現したと言います。本当に献身的にお父さんの裏方をしている彼女を見ていると、私も5年前に亡くなった父の事を思い出し、何故だか涙が止まりませんでした。




私は彼女とはうらはらに、生前父の事が嫌いでした。小さい頃、洋服のブランドのオーナーをしていた父は、横浜の家に週何回しか帰宅せず、会えばお小言ばかりだったので、あまり父を慕っていませんでした。結局、突然言い渡された大腸がんの発見が遅く、一旦手術をしたものの、余命宣告のあったちょうど6ヶ月の終わりに息を引き取りました。亡くなってからしばらくして、私は本当に父の事を愛していた事に気づき、気づけば、父が生前思いをはせていたアートの仕事に私自身が従事し、また、アパレル方面の仕事もさせていただき、父には息子がいなかったので、私が全て父のしたかったことを受け継いでいるのか、などと考えると、もっと生前協力し合えたのではないか、という思いがあり、このアーティストの父娘に自分の姿を重ねて想いが膨らんでしまったのかと思います。

ギャラリーの人やこの父娘は、私が突然泣き出すものだからびっくりしていましたが、一緒に泣いてくれました。それこそ、抱き合って。ちょっと恥ずかしいですが、みんな家族の愛だったり感動だったりは、あまり表に出せないのが、きっかけがあるとその想いって簡単に表面化するものなんだと、別の視点から改めて思いました。

台湾の市場は、今、日本のアートにあまりいい感情を持っていない事は事実のようです。それは、質とかそういう問題ではなく、過去3年間程に日本のアート関連事業が台湾市場に向けて行ってきた事への失望がもたらした結果なんだろうと思います。しかし、私は私独自で誠意を持ってやっていけば、時が経ち、きっと道は開けると信じています。現に、少なからずではありますが、今回の出張で道は開かれつつあると確信する部分があったからです。現地に足を運び、独自の感性でリサーチしないと分からない部分が色々あるんだな、という事を今回の旅で思い知らされたし、きちんと別にご褒美ももらって帰って来れたのは、今の私には充分過ぎるくらいの収穫でした。






GUGIZM @ SOURCE in 上海



穴薪ペインティングの個展「GUGIZM」のアテンドで上海に行って来ました。





穴薪ペインティングは、実は、別名でコンテンポラリーアーティスト「比巴」として、香港、シンガポール、上海で既に活躍しているんですが、比巴としての契約ギャラリーであるArt + Shanghaiのスタッフが総出でお祝いに駆けつけてくれました。




SOUCEのスタッフも皆いい人達で、世界各国のスケーターシーンを愛する人達でお店が運営されていました。ドイツ人、アメリカ人、マカオ人、上海人と、とっても国際的でした。しかも、みんな、中国語が上手かったです。すごすぎます。




実を言うと、上海に来てから10月くらいからずっと引いている風邪をこじらせてしまったようで、なんと、オープニング終わりの22時まで会場にいられないほど疲労困憊し、途中で帰宅するという大失態をおかしてしまいました。本当に、二度とこんな事がないように、しばらく日本で体力を回復させ、免疫力を上げる生活を心がけようと、真剣に思っているところです。ただ、SOUCEのスタッフやアーティストの穴薪さんらは、みないい人達で、私の事をとても心配してくださり、人の温かさにも触れる事ができました。でも、だめなのもはだめです。はい。

でも少しだけ言い訳をするならば、成田から上海に入る時、濃霧で上海に着陸できず、韓国のジェジュ島に引き返し、給油する為に三時間飛行機の中で待機し、大阪に引き返す事態が起こったのです。デルタだったのですが、何故引き返す事になったのかは未だに不明。大阪に着いて、用意されたホテルにチェックインしたのが朝の5時半。2時間程度の旅の予定が、12時間の長旅になってしまったのも風邪をこじらせた原因かと、今では思っています。

風邪をこじらせたおかげで、本当に本当に辛い日々が続きました。せっかく上海の友達が私の歓迎をしようとしてくれていたにもかかわらず、殆ど何処にも行けずにひたすら仕事と泊まらせてもらっていた友達のアパートの往復。しかも、北京にも行かなければならず、北京に行く朝、このまま倒れたらどうしようと真剣に行くのを迷うくらい具合が悪化し、初めて手を合わせてお祈りをしました。そうしたら、「歩けないか?」「立てないのか?」という声が聞こえたような気がして、そうすると、どこからか少しだけエネルギーが注ぎ込まれたような気がし、立てて、歩けるようになりました。空港に行く1時間前の出来事でした。そして、北京に空港に着く頃にはすっかり具合が良くなっていたんです。なんともキセキみたいなお話でしょ?

今回の出張は、仕事面においては体の具合に反比例するかのようなすばらしい出会いに恵まれ、全アーティストの来年の展覧会スケジュールをこぎつけてきました。普通、1〜2名洩れるのですが、今回に限っては全員です。しかも、お休みしているアーティストにまでオファーが入り、こちらとしては嬉しい悲鳴です。

なんとか来年のスケジュールの段取りもできたので、後は、無事に年越しができるよう体力を回復せねば。

あ、そうそう。来年には「GUGIZM」が北京のSOUCEにも巡回する予定ですので、日程分かり次第また告知します。

とり急ぎ、上海レポートでした。

GUGIZM


2010年11月29日月曜日

穴薪ペインティング個展「GUGIZM」@ SOURCE in 上海

穴薪ペインティング(Anamachy Painting) が上海にて初の個展を開催します。


Exhibition Dates : December 3rd – 16th, 2010
Opening reception : December 3rd, Friday
Exhibition Venue : SOURCE, Shanghai Flagship Store, 2nd Floor
158 Xin Le Road, Xuhui District
Shanghai, China 200031
Tel: +86 21 5404 4708
http://www.thesource.cn


2010年10月20日水曜日

美しい日々

15年共に暮らした猫のさすけがおととい死んでしまいました。

1年程前から急に体調が悪くなり、今年の2月には手術をしました。手術の前までは吐いて吐いて、本当に大変な時期を半年も過ごしました。手術をしたら楽になるとは分かっていても、本人にとっては辛い事に変わりはなく、術後の辛さを考えるとそれもかわいそうで、なるべく投薬で頑張ろうと思っていました。しかし、あまりにも毎日が辛そうだったので、この状態で死なせるわけにはいかない、と、こちらも決死の覚悟で手術を申し出ました。その頃、ちょうどお金が究極的になかったので、母に借金をしました。手術費用は20万円でした。

さすけの具合が悪くなった頃から、アートマネージメントの仕事がだんだん忙しくなり、海外出張の際は一緒に暮らしている母に面倒を見てもらわなければならず、母にも随分気苦労をかけたことと思います。

手術をしてからのさすけは、術後のリカバリーでこれまた辛そうな日々を送っていましたが、いつもの元気を取り戻したのがやっと4月に入ってから。ようやく太陽の日差しが暖かく感じられる頃でした。

それからのさすけは元気いっぱいで、ご飯の選り好みが激しくなり、気に入ったものを一気に食べ過ぎてたまに吐いたくらいです。でも、おかげで激減していた体重が少しづつ元に戻り、この暑い夏も一緒に乗り切り、元気いっぱいで秋を迎えました。

9月末〜10月頭までの香港出張を終え、帰宅した頃には日本もすっかり涼しくなり、今年の冬を乗り切るためのさすけのあたたかいベッドをどれにしようか迷っていた矢先でした。

10月18日(月)、3ヶ月ぶりの大学病院での検査のため午前中からでかけ、夕方には少し疲れた様子ではあったけれど、検査を終え、特に異常も認められなかったので、私も納得して元気に一緒に戻って来ました。病院でケージにおもらしをしてみまったようで、私は外でケージを洗って、干したりしていました。さすけはご飯を食べ、私も早めの夕飯を食べ、さすけと一緒にゴロゴロとリラックスしていました。母が8時頃帰宅してからはしばらく姿が見えなかったので、2階に行ったのかな、とあまり気にもせず仕事部屋で仕事をしていました。

11時頃、仕事が一段落し、少しお酒でも飲もうかな、と思って1杯飲み、2杯目を作って仕事部屋に戻った時、2階からトントントンとさすけが降りて来ました。

あ、起きて来たな、またご飯食べるのかな。
あ、これ飲み終わったらお水も変えてあげなきゃ、と思っていると、いつもと違う声でさすけが一声鳴きました。

「ニャン」

鳴き方がいつもと違うので何かあったのかと思い、急いで台所を覗き込むと、さすけが倒れていました。

私はパニックになり、さすけと入れ違いで2階に上がった母を大声で呼びました。

「お母さん!お母さん!さすけが!」

母は急いで降りて来て、さすけの顔に自分の顔を近づけて、「苦しいの」と声をかけてくれました。

私は、急いで救急病院に電話をし、住所を確認して、母にさすけを抱えてもらって私が車を運転して病院に向かいました。

「少し手に力が入ってきた感じだから、もう大丈夫だと思うわよ。」

母がそう伝えてくれたので、私は少し安心し、車のスピードを少し緩めました。

病院が見えて来て、車を止めると母を先に行かせ、私は車のエンジンを切ってから、母の後に続きました。そうすると、先生がすぐに迎え入れ、さすけを手に取り「既に心配停止状態です。蘇生しますか?」と言われたので、私は「お願いします!」と即答し、心臓マッサージをしてもらいました。何回か蘇生をするための薬を注射してもらい、電気と手で心臓マッサージを試みました。その間、私は「さすけ!戻って来て!」と何度も叫びました。しかし、ふとさすけの顔をみたら、目がカッと開き、瞳孔が開いているのがわかりました。

「先生、もう目が、、、」

先生は、「そうですね。もう瞳孔が開いていますので。」とおっしゃい、私は心臓マッサージを止めてもらう決心をしました。

「先生、もう結構です。」

この言葉の意味は、さすけの死を意味します。

状況が全く受け入れられず、さっきまで元気に過ごしていたさすけが急に死んでしまうなんて、信じられないし、全く受け入れられません。まださすけは暖かく、眠っているようにしか見えませんでしたから。

先生に言って少しお時間をいただき、母と一緒にさすけにお別れを言いました。

「さすけ、ありがとう。ごめんね、最後に苦しい思いをさせてしまって。」

そして、先生は遺体を少しキレイにて箱に入れますので、といって私たちは待合室で少し待ち、箱に入ったさすけを返してくれました。箱にはいったさすけは、気持ちよさそうに眠っているようでした。その時もまだ暖かく、お鼻も濡れているように感じました。まだ、生命力の余韻を感じました。

帰宅し、ちょうど母は次の日仕事がなかったので、さすけの好きだった缶詰を出して、トイレを片付けてキレイにしてから、母と二人でさすけのお通夜をしました。さすけの定位置でいつもの寝床のソファにさすけの入った箱を置き、さすけに触りながら2人で焼酎を飲みました。そして、さすけについて、気が済むまで語りました。さすけはまだ暖かく、本当にほんとうに、眠ってるようでした。

ニューヨーク生まれのさすけは、私の帰国と同時に一緒に連れて帰ってきました。ちょうど15年前は、日本の猫に対する検疫が始まったところで、1ヶ月も空港の検疫所で暮らさなければならなかったさすけは、本当に大変な思いをして日本にやってきました。でも、連れて帰ってきて本当によかったのは、亡くなった父も、母も、妹にも全員にかわいがられ、日本に来てからの10年間は、本当に幸せに暮らしていたと思います。

最期は、私に看取られ、母に抱かれて息を引き取る事ができ、寂しい死に方をさせないで本当によかったと、2日たった今、心の底からそう思います。

次の日朝一で火葬場に行き、さすけにお礼を言って、最期のお別れをしました。箱から出したさすけは、もう、固くなっていました。ああ、これで本当に死んでしまったんだな、と思いました。そして、さすけとの美しい日々を思い浮かべながら、さすけの顔に最期のキスをして見送りました。

さすけ、今まで本当にありがとう。

さすけのおかげで、私は一生懸命生き物を育てる事を知りました。さすけに学ばせてもらった事がどんなに素晴らしいことか。今後、日を重ねる毎に感謝の気持ちが膨らみ、もっともっと愛情を感じることでしょう。さすけと一緒に過ごした15年は、私にとって宝物です。人間が一番成長する時期にさすけと共に暮らせた事は、何にも変えられない大切なものです。

さすけ、美しい日々をありがとう。

最期に放った「ニャン」という一声は、きっとさすけの私へのお礼だったのかもしれません。そう信じています。

また、きっといつかどこかで会おうね、さすけ。








2010年9月20日月曜日

心、動かされる

私の小中高に「大野」という同級生がいました。

大野には世界的に有名な舞踏家のおじいちゃんがいて、キリスト教の学校に通っていた私たちのクリスマス礼拝に毎年だったかな?クリスマスにちなんだパフォーマンスを披露してくださっていました。

その踊りは、まだ小さい私たちには深すぎて理解できない部分が多々あったとはいえ、独特で一回見たら忘れられない程のインパクトがありました。


昨日、六本木で開催されているフォトアートの見本市「東京フォト2010」を見て回っていると、突然「大野のおじいちゃん」が目に飛び込んできました。Zen Foto Galleryという渋谷にあるギャラリーのブースで、舞踏家をテーマに写真を展示していたんですが、その作品の中の何枚かに大野のおじいちゃんが写っていました。

「大野一雄」というんだ、とこの時初めて知りました。この20年で、私はすっかりアートに関わりのある人間になっていた為、昔イメージしていた大野のおじいちゃんとは違う視点で「大野一雄」氏が被写体となった写真作品を見進めていくと、ブースの奥のほうに鼻にチューブを付けて口を開いて表情を作っている老人の顔だけの写真が突然表れました。

きっとこの方も大野氏だろうと思い、クレジットを確認すると2010年の作品、という事になっていました。私が小さい頃、既にお年を召していらっしゃったけど、この顔だけの写真から察するに、想像を遥かに超えたお年になっている事に間違いはなく、一つは、顔の回りは真っ暗で、顔だけが浮かび上がった写真、もう一つは、ベッドの上を花で飾られた、これも顔と花だけの写真。儚げなこの2つの作品に付けられた題名は「last dance」。

私がじっと見入っていると、ギャラリーの方がこの作品を撮影された写真家である池内功和さんを紹介してくださり、撮影の時の様子を教えてくださいました。

池内さんが大野氏を最期に訪れた時、すでに眼球と顔の表情筋の一部しか動かす事ができなかったそうです。しかも、撮影する目的で訪れたわけではなかったらしいのですが、撮られるのが何より好きだった大野氏は、カメラの前で、その不自由な体に臆する事なく顔だけでパフォーマンスに挑んだと言います。

池内さんは言いました。「大野さんは、義務とかそういうレベルではなく、本当に踊りが好きで最期の踊りをしてくださいました。」最期までああして好きな舞踏を続けて来れた事は、はたから見ていても幸せな人生を過ごされたんじゃないかと思います、と池内さんはおっしゃっていました。

ベッドの上でのラストダンスにシャッターを向けるチャンスがあった事を、写真家として嬉しく思う、と池内さんは静かに私に言いました。


東京フォト2010

昨日、六本木で開催されているアートフォトフェア「東京フォト2010」に行って来ました。

去年は、ヒルズの真向かいにある新しいイベントスペースでやっていて、建物の1階と地下の2階構造をうまく利用して、なかなか見応えのある展示になっていました。今回は、ヒルズ内の森ビルの40階、ということでビルのワンフロアーがそのフェア会場になっていましたが、去年とは比べ物にならないくらい貧相になっていました。出品作品はどれも素晴らしかったのに、会場が会場なだけに、どことなく文化祭ののりっぽく見えてしまったのは、私だけでしょうか。

それぞれのブースは狭く、壁いっぱいにフォトアートが展示されていました。しかも、それぞれのブースでも個性が出しにくいようで、本当にどのブースも同じ様に見えてしまいました。

ああいう無個性な会場を借りるのであれば、努力して会場を個性的にしないと、せっかくの3連休にわざわざ六本木まで行き、1,500円出して入場した事にちょっと納得のいかなさを覚えてしまう人もいるのではないでしょうか。

と、ちょっと辛口な意見がいいたくなるのも、それぞれの作品自体は素晴らしく、ここにこの作品があるのがもったいない、という感じを受けたからです。個々のギャラリーの展覧会ではなく、あくまで「見本市」なわけなので、「作品だけを見る」という目的があればいいのかもしれませんが、、、私は少なくとも「来年もまた是非、今度は友達も誘って行きたい」という気持ちには少なくともならなかった、ということです。

開催側も色々と大変なんだろうとは思いますが、せっかく開催するんであれば、しかも去年はとてもよかったのに、、、少しもったいない気がしました。会場の問題なのでしょうかね。それだけではないと思いますが、でも場所の問題も多分にあると思います。

フェア自体の感想とはうらはらに、泣き出すくらい感動した作品に出会えたので、私的には大満足でした。貯金があったら間違いなく買っていました。

その作品については、次のブログで紹介します。

東京フォト2010、今日(9月21日)で終了です。


2010年8月31日火曜日

ここ4ヶ月のアジアでの展覧会




5月から8月末までびっちり、4ヶ月の長い、実になが〜い怒濤の日々がやっと過ぎました。

ブログを書く気力と暇がなかった為、ここら辺で少し振り返ってみようと思います。

4月30日〜5月26日:香港「GUGAA!!!!」展@Above Second by 穴薪ペインティング
5月19日〜6月10日:シンガポール「MIYABI」展@Sunjin Galleries by 谷口登茂子、緒方陽一、比巴
5月29日〜7月17日:北京「Small is Beautiful」展@Art Seasons(吉光健大参加)
7月2日〜9月末:上海「Expanding Horizons : Manufacturing Landscapes」@Art + Shanghai(比巴参加)
8月1日〜8月25日:上海「2nd Impression」展@Art Labor(丹野直人参加)
8月4日〜9月4日:香港「Signal 8」展@Cat Street Gallery
8月19日〜9月9日:シンガポールObscure Desire 」展@Sunjin Galleries(垂谷知明参加)

※上記展覧会詳細はコチラ

こんな感じで、息つく暇もありませんでした。7展のうち、5展には行き、そのうち4展のオープニングにアテンドしました。

今回、中国が3展も入っていた為、万博で湧く中国に、こちらサイドは作品が届くか届かないかでひやひやし、胃がきりきり痛みました。結果、1展はオープニングには間に合わず(これは、ギャラリー側のディレクションに問題があったのですが、、、言い訳ではなく)、もう1展には間に合わない事が分かったので、手持ちで別作品を持って行く、という事態が起こり、いやはや、中国、、、相変わらず恐るべしだなと痛感しました。おかげさまで、中国へ作品を送る際の通関の通し方、コツ、スケジュールはだいたい覚えました。しかし、さらに厳しくなっているという噂は本当なのでしょうか。

色々反省しなければならない事は山のようにあり、まだまだ解決しなければならない問題も山積みですが、結果的には次のステップへ行く十分な経験させてもらった事や、すばらしい人達に巡り会えた事、厳しく愛を持ってアドバイスをいただけた事など、全ての方々に感謝の気持ちがいっぱいです。さらにこれから新しいアーティストの方も増えるので、前進あるのみです。

しばらくは国内にいるので(来月末香港ですが、これは展覧会ではなくアーティスト紹介に行くので)、アーティストの今後の事や、次の展覧会の事を考えるいい機会なので、じっくり考えて行こうと思います

2010年7月10日土曜日

「Welcome to Electricity」by :phunk Diesel Denim Galleryにて個展開催!

私の友人でもあるシンガポールのコンテンポラリーアーティストであり、クリエーティブ集団でもある:phunkの東京での初の個展が、青山のDIESEL DENIM GALLERYにて7月23日〜10月11日まで開催されます。


"Welcome to Electricity" by :phunk
会期:2010年7月23日〜10月11日
オープニング:7月22日(木)18~21時
会場:Diesel Denim Gallery Aoyama 2F
住所:東京都渋谷区南青山6-3-3
TEL:03-6418-5323
開館時間:13~20時
休館日:不定休
http://www.diesel.co.jp/denimgallery

展示会について

"ELECTRICITY"は、2006年に発表されて以来、手法を変えて連鎖されてきた:phunkの代表作であり、彼らのつきる事のない旅への憧れを投影したメガポリス(巨大都市)です。"ELECTRICITY"には、彼らが実際に訪れた世界中の都市のディテールが、あらゆる多様性を圧し殺すことなく並存しています。

"ELECTRICITY"で歓迎されるのはグローバリゼーション・スピリット。東洋・西洋の区別がないこの都市は"Love"を共通言語とし、若々しい創造力をエネルギー源としています。我々はそこに、すさまじい成長のただ中にあるシンガポールという都市国家のイメージを二重写しにするでしょうか。

今展のため、ファンクの4人のメンバーが全員来日予定。
東南アジアを代表するアーティストの作品を見るチャンスをお見逃し無く!



2010年6月7日月曜日

穴薪ペインティング「GUGAA!!!!」展 in 香港



穴薪ペインティングが生み出したキャラクターGUGAA & MUGAAの展覧会「GUGAA!!!!」展が好評の内に終了しました。



Above Secondという、今年の2月に香港の上環に設立されたばかりの新しいギャラリーで開催させていただいたのですが、アーティスト経営型のコンテンポラリーアートのギャラリーで、展覧会スペースの奥はアーティストの制作スペースを設けていました。





オープニングには大勢の方がかけつけてくれて、夜の10:30までなかなか人が引かず、最後まで残ってくれた人達と香港の夜へでかけて行きました。

オールスタッフです。


ギャラリーの方のお友達が、ミニライブをしてくださいました。


今回は、香港の若者の間で人気のセレクトショップD-MOPのカジュアルライン「JO-1」でGUGAA & MUGAAのコラボTシャツとバッグが販売しているので、JO-1もPR等でかなり協力していただきました。



アーティストと私は他のプロジェクトが重なり、いっぱいいっぱいのスケジュールをくぐり抜けて、特に穴薪の金子さんは、2週間くらい1日平均2時間くらいの睡眠でここまでたどり着いたので、やはりオープニングに大勢の方が着てくださったので、感激も一層だったことと思います。

香港の雑誌「Milk」の取材があり掲載されたのですが、アーティストネームが間違っていてかなりびっくりしました。



Above Second
Addess: 31 Eastern Street, Hong Kong
Tel: +852.3483.7950
http://blog.above-second.com






シンガポール MIYABI -雅-展 開催中



シンガポールのSunjin Galleriesにて、谷口登茂子、緒方陽一、比巴 (VIWA)による展覧会「MIYABI - 雅 -」展のオープニングの為、谷口さんと緒方さんと一緒にシンガポールに行って来ました。

ギャラリーから聞いてて予想はしてたものの、緒方さんの彫刻作品が一つ破損してて修復に丸2日かかり、オープニングの当日お昼くらいまでかかってインスタレーションしました。ちょっと冷や汗ものでしたが、なんとか昼2時くらいまで全てのインスタレーションが終了し、無事にオープニングを迎える事ができました。











MIYABI -雅 -とは、日本人特有の美意識。3人の日本人アーティストが、きらびやかだけど、ヴェールに包まれ謎めいた「美」を披露します。

6月10日(木)まで開催していますので、シンガポールにお越しの際は是非お立ち寄りください。

Sunjin Galleries
住所:#03-62 Work Loft, Chip Bee Garden, 43 Jalan Merah Saga, Singapore 278115
営業時間:11:00〜19:00(土曜18:00まで / 日曜13:00〜18:00)
定休日:月曜日・祝日
TEL:+65 6738 2317
http://www.sunjingalleries.com.sg


2010年4月18日日曜日

1ヶ月に2本

やっぱり相当きつい。

一ヶ月に2つの展覧会をこなすのは、圧倒的にマンパワーが足りない。

特に、PRと集客が大変。

コンセプトなんかは前もって考えてるし、そんなにバタバタしないで済むんだけど、情報発信がやっぱり大変。

今回は、グラフィックデザイナーの穴薪ペインティングの展覧会という事もあって、Tシャツとバッグを販売してもらっているお店との絡みもあり、もっとPRがんばりたかったのに、気がついたらあと2週間。

もう、あとは、香港側にがんばってもらうしかないかな。

だって、すぐシンガポールの展覧会もあるし、そっちの作品がまだ全然揃ってないから、なんか、気持ちばっかりが焦る。

アーティストも制作日数ぎりぎりで相当大変なんだと思うけど、こっちも大変だ。

でも、「忙しい」とは決して口にしない事にした。

「忙しい」とは、人を亡くすこと、とは母の今日の名言。

心にしみました。


2010年4月11日日曜日

香港「GUGAA!!!!」展 by 穴薪ペインティング


ARIから、春の香港のイベントのお知らせです。

今回は、はっきり言ってすごいです。

穴薪ペインティングが生み出した、現在香港のセレクトショップJO-1でもTシャツとバッグが販売中の子供型怪獣キャラクター「GUGAA & MUGAA」の展覧会です。

大小70点程のアクリル作品が展覧会会場を埋め尽くします。

デザイン好きな若い層にも作品を所有する楽しみを知って欲しいという願いから、今回は特別にひじょ〜にお求めやすい価格で作品を販売する予定です。

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穴薪ペインティング展覧会「GUGAA!!!!」@ Above Second



展覧会 :「GUGAA!!!!」
会期 :4月30日(金)- 5月16日(日)
オープニング:4月30日(金)4 – 6pm
会場 Above Second
31 Eastern Street, Hong Kong
tel : +852.3483.7950
email : may@above-second.com
キュレーター:中村友香(ARI)


「GUGAA!!!!」

人は生まれたときから人との関わりの中で経験し、成長していく。子供の頃に抱いたいたずら心や滅茶苦茶な行動。子供はただ無邪気にその瞬間を楽しむが、大人になるにつれ無邪気さは薄れていくものだが、消滅してしまったのではなく、潜在しているのではないでしょうか。

穴薪ペインティングは、欲求の海から生まれた子供型怪獣「GUGAA & MUGAA」を生み出す事によって、感情のままに暴れ回り、思いつくままに体から分裂する怪獣が生まれる様など、子供の頃に抱いた滅茶苦茶な行動をGUGAA & MUGAAの姿を借りて表現している。

「アートを鑑賞する」から「アートを所有する」という行為を普及させることを目的とする穴薪ペインティングは、東京をベースに活動するアーティストである。オリジナルのペインティングコレクションを制作し、その制作の過程で発見する新しい特異なスタイルと探求すべき課題を整理して、GUGAA & MUGAAシリーズの他にも様々なオリジナルアートを創出している。

今展覧会では、穴薪が得意とする アクリルペイントにエイジングをきかせた仕上がりの大小作品を披露。GUGAA & MUGAAがAbove Secondで暴れ回る様子を作品とインスタレーションを組み合わせてその表現される世界観は、来場者に忘れかけていた自分が本来持っている魅力を思い出させてくれるかもしれません。

3月〜6月にかけて、D-MOPのカジュアル系ライン「JO-1」とのコラボレーションTシャツとバッグがJO-1ショップにて販売中。



穴薪ペインティングは、アートがより多くの人々の生活に需要されることを願い、活動している。2004年9月よりアートブランドとしての展開、一般的なアートマーケットの獲得をミッションとして活動開始。ペインティングのスキルとグラフィックデザインのスキルを互換し、新鮮で多様なビジュアルを創造する。2008年よりオリジナルキャラクタ「GUGAA&MUGAA」を誕生させ、アートからマーケティングまでの斬新なブランディングを行っている。穴薪ペインティングはアート、イラストレーション、デザインの分野で、3つのセクション、「アート」「プライベートワーク」「クライアントワーク」において制作、作品販売を行っている。



Above Secondは、アーティスト運営のギャラリーであり、香港の新しいコンテンポラリーアートのムーブメントを促進するための制作スタジオでもある。香港島の西に位置し、イラストレーション、グラフィックデザイン、グラフィティ、マンガ、ポップカルチャー、ストリートアート等に影響された作品を取り扱う。



ARIは、東京を拠点に国内のアーティストを世界に向けて発信し、又、海外のアーティストを国内に紹介する、アーティストマネージメントオフィスです。アーティストと企業、アーティストとギャラリー、アーティストとアーティスト等、それぞれで存在する可能性の種と種をオーガニック(有機的)に結びつけ、スパークする感動をもたらせてくれる作品に人々が出会うチャンスを広げて行く事をミッションとします。



展覧会詳細は、ARI中村までお問い合わせください。

ARI art management office
mobile : +81 (0)80-3244-6992
fax : +81 (0)45-546-2361
email : yuka@ari-art.net

2010年3月23日火曜日

香港「呼吸」展のオープニング



3月5日〜26日まで開催している谷口登茂子さんと吉光健大くんの展覧会「呼吸 | Breathing」のオープニングに香港まで行って来ました。谷口さんと吉光くんも一緒に行って、設置やライティングなど一緒にやってくれたので、助かりました。とっても。


香港は去年の5月以来今回で4回目の訪問となり、ビジネス関係や交友関係の和も広がり、殆どの知り合いの人が駆けつけてくれたんですが、なんといってもArt Beatus GalleryのPRがきっちりしていたので、メディアの方や、Art Beatusのお客様はもちろん、広告を見て来てくださった日本のファンの方、アーティストの方など、本当に多くの方が来てくださり、会場が人であふれ、8時までのオープニングだったんですが、9時近くまでギャラリーを締められず、本当に感激と充実感で胸がいっぱいになりました。





この時初めて聞いたのですが、Art Beatusは開業20年程の老舗ギャラリーにも関わらず、日本人にキュレーションを頼んだのは初めてだった、とのことで、先に聞かないでよかった〜と思いました。聞いてたら、こんなのびのびとできなかったかもしれません。





一緒に仕事をやってみて、本当にいいギャラリーだとつくづく思いました。スタッフの心使い、アーティストへのホスピタリティ、何でも受け入れてくれる懐の深さ。驚いたことに準備期間中、殆どNOと言われませんでした。こちらも、無理は言わず、要求された事以上に応えた、という実感もあったんですが、それにしても!です。

実は、オーナーのアニーさんはずっとご病気でオープニング前日まで家から一歩も外にでれない状態だったらしいのですが、私たちがわざわざ日本からオープニングに来る、という事で、体調管理をされ、復帰第一目にオープニングに来てくださったのです。なかなか人が引かないオープニング会場を無理矢理締めてからレストランに連れ出してくださり、目が飛び出るくらいおいしい上海料理をこれ以上食べられないくらいご馳走してくださり、なんと11時近くまで私たちをもてなしてくれたんです。


新しく一緒にやる事になった2人のアーティストも気に入ってくださり、他のギャラリーでも早速展覧会の話が進んだりで、今回の香港は、前回と比べものにならないくらいいい出張になりました。前回は風邪を引いてただただ辛かった事を思い出します。