2011年7月26日火曜日

丹野直人, 重森柾ト展覧会「かわり続ける都市、かわらない自然」@Karin Weber Gallery in 香港

丹野直人と重森柾トの2人展「かわり続ける都市、かわらない自然 | Ever-lasting Nature, Ever-changing Cities」が8月5日〜8月25日まで開催されます。8月4日(木)のオープニングレセプションには2名の作家が出席しますので、お時間がある方は是非いらしてください。


丹野直人/ 腕/ 2011 / Acrylic and airbrush on canvas/ 100 x 100 cm



重森柾ト/ サビオ/ 2011/ Acrylic on canvas/ 116.7 x 80.3 cm


Karin Weber Gallery presents :
「かわり続ける都市、かわらない自然 | Ever-lasting Nature, Ever-changing Cities」

Artists: 重森柾ト, 丹野直人
Date of Exhibition : August 5 – August 25, 2011
Opening Reception : August 4 at 7 pm
Venue : Karin Weber Gallery
Address : G/F, 20 Aberdeen Street, Central, Hong Kong
Tel: +852 2544 5004
Opening hours: 11am-7pm (Monday to Saturday) 2pm – 6pm (Sunday)
http://www.karinwebergallery.com

「かわり続ける都市、かわらない自然」

2011
311日、日本は未曾有の災害を経験しました。人が何年もかけて作り上げてきた海岸線の町は、大地震が引き起こした大津波で一瞬の間に消えました。地球が育む自然に対して、人々は対抗するのではなく、自然と一体になって暮らす方法を見つけなければならないと、多くの人が気づきました。

北海道の大自然で生まれ育った丹野直人は、一見無機質で自然とは正反対に見える都市の人工物にも暖かみを感じる部分を見いだし、又、都会に住みながら自然を常に感じている重森柾トは、たとえ破壊されてもなおなお力強く育む変わりない自然の存在を崇拝する。 丹野と重森は同世代に別々の日本で育ち、人が関わりを持つ「都市」と「自然」のありかたをそれぞれ敏感に捉えている。

丹野直人は、人工物から感じられるわずかな人間の気配と、そこから発せられるエネルギーを描く作家である。初めて東京を訪れた丹野は、人工光が作り出す東京の夜景にショックを受け、それがアート制作の原動力となっている。 北海道の大自然を知る丹野は、自然の素晴らしさを知ると共に恐ろしさも知っている。人工物は一見無機質に見えるが、人工光には人が集まり、自然にはない暖かみを感じる事ができるという丹野は、モノトーンに近い色合いで、ミニマルで無機質にも見える表現で都市を描くが、その真意は人が作り出す、どちらかというと暖かみのある有機的な存在をその中に見いだしたい気持ちが隠れている。 今展では、丹野が得意とするスタイル、一筆書きの線で機械的、都市的な背景を描く事により、「人」の役割を担う1本の線から都市と自然を結ぶ様を披露。丹野は、作品も都市も同じ「人のつくりしもの」と捉え、自身の作品からそれぞれに見える風景を映し出して欲しいと言う。

一方、重森柾トは都市を造るために植物も動物をも犠牲にする都市のあり方に疑問を投げかける。 そもそも人がいなければ、この世界は花や樹々や動物たちだけの世界だった。人間も動物も植物も同じ地球から生まれし生命。人間の造る都市も、動物のつくる棲家と同じであるはずだと言う重森は、都市が自然と対になる対象になっている事は人間の主観に過ぎず、全ては同じであるべきだと考え、人間が作り出すものが自然と共存する素晴らしさを考えていきたいと言う。重森が描く対象物は、自然の植物、草木がモチーフになる事が多いが、実はそのほとんどが実在しない、重森の空想上のものである。架空のオリジナル植物やキャラクターを創造するという事は、現実の世界では難しい事だからこそ、絵の中で時に人間の文明に負けてしまいそうな自然界を自分が作り上げる事でひそかに抵抗しているのだと言う。生き死にを繰り返す地球上の全てのものに敬意を払い、今展では特に自然をモチーフにした作品を披露する。

草木や花は儚く見えるが、自然が持つエネルギーは人の想像を遥かに超える程強く、人がいなくては廃れていくだけの都市と比べると、都市とはなんと儚いものだろうか。丹野と重森がお互いに見据える、人間が地球とどう共存できるかの問いかけを、今展で確認していただきたい。



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