2009年11月10日火曜日

酔鯨館とアーティスト石丸運人




今日は、アーティストの石丸雅通さんの、鎌倉の自宅兼アトリエに隣接する美術館「酔鯨館」と、そこを継いで活動している友達であり、アーティストの石丸運人さんを紹介してみたいと思います。





鎌倉駅から小町通りを通り抜け、牡蠣丼で腹ごしらえをしつつ、鶴岡八幡宮を左に見ながらひたすら通りを進むと、なんとも風情豊な報国寺に到着。鎌倉駅から酔鯨館まではバスでの行き方が一般的だが、鎌倉のお寺の中で一番お薦めだと連れが主張するので、地図を見たらなんと道中だという事もあり、寄ってみました。竹林で着物女性の団体に遭遇し、写真に色を添えてくれました。




報国寺を後にどんどん奥に進み、山肌が見えてくる頃、突如巨大な鯨が現れました。山の中の巨大な鯨。なんだか、ちょっとしたファンタジー空間へたどり着いた感じです。


しかし、驚いたのは館内。なんとも独特な世界に飲み込まれそう、まさに酔いそうな感覚。はと気づき、ディテールに気を配ってみると、そこは確かに鯨が守る海の中の世界だったのでした。海の怪物、戦士(?)、はたまたポセイドンだったか、、、滅亡したと噂されるかつての大陸が海に沈み、伝説が生まれ、またそれが、現代に融合しているような。そこにいるだけで何万年前から一気に現代までの感覚が生まれてくるような。そんな空間です。




石丸運人くんとは、私がニューヨークから帰国した10年前くらいからの知り合いで、当時私は大手の会社を渡り歩き、石丸くんはよく「友香ちゃんは、ニューヨークにいて、そのあと〜〜〜」といった具合に丁寧に友達によく私の事を紹介してくれたものです。

彼の作品は、お父様の作品とはもちろん違うのですが、知り合って10年目にして始めて酔鯨館を訪れたわけですが、なんとなく共通の感覚を、本人は気づいていない部分で、多分精神的な部分で影響を受けているんだろうな、と感じました。彼の作品は、もし私が海外へ持って行ったとしても恥ずかしくない、むしろ誇りに思える作品です。彼の作品の写真が一枚もないので紹介できないのがとても残念です。でも本人は、自分が有名になる事に無頓着で、ただただひたすら作品を作り続けるタイプの作家です。昔、石丸くんが言ってました。

「一つのやり方を生涯かけて貫き通す。こういう作家になりたい。」

彼は、自身の死をもって完成する作品を作り続けているのかもしれません。だから、生きている内にキャリアを積んで、価値を付けて、という、一般的なアーティストとしての道を進まないのであろうか。昔言ってた事だけど、その意志はきっと変わってないだろうから、回りが石丸くんに、友香ちゃんにマネージメントしてもらいなよって薦めるんだけど、私も石丸くんも、「う〜ん、まあ、そうだよね〜」って流してしまう呼吸が存在している事実があったりもします。

彫刻は単に彼の生き様を形にしているツールなだけで、彼自身の行き方がアートなんだな。そう思える作家に会えるのは、とてもめずらしい事なので、このアーティスト石丸運人と、お父様の意志を受け継いでの美術館での彼の活動を、今後も見続けようと思います。




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