2010年3月23日火曜日

香港「呼吸」展のオープニング



3月5日〜26日まで開催している谷口登茂子さんと吉光健大くんの展覧会「呼吸 | Breathing」のオープニングに香港まで行って来ました。谷口さんと吉光くんも一緒に行って、設置やライティングなど一緒にやってくれたので、助かりました。とっても。


香港は去年の5月以来今回で4回目の訪問となり、ビジネス関係や交友関係の和も広がり、殆どの知り合いの人が駆けつけてくれたんですが、なんといってもArt Beatus GalleryのPRがきっちりしていたので、メディアの方や、Art Beatusのお客様はもちろん、広告を見て来てくださった日本のファンの方、アーティストの方など、本当に多くの方が来てくださり、会場が人であふれ、8時までのオープニングだったんですが、9時近くまでギャラリーを締められず、本当に感激と充実感で胸がいっぱいになりました。





この時初めて聞いたのですが、Art Beatusは開業20年程の老舗ギャラリーにも関わらず、日本人にキュレーションを頼んだのは初めてだった、とのことで、先に聞かないでよかった〜と思いました。聞いてたら、こんなのびのびとできなかったかもしれません。





一緒に仕事をやってみて、本当にいいギャラリーだとつくづく思いました。スタッフの心使い、アーティストへのホスピタリティ、何でも受け入れてくれる懐の深さ。驚いたことに準備期間中、殆どNOと言われませんでした。こちらも、無理は言わず、要求された事以上に応えた、という実感もあったんですが、それにしても!です。

実は、オーナーのアニーさんはずっとご病気でオープニング前日まで家から一歩も外にでれない状態だったらしいのですが、私たちがわざわざ日本からオープニングに来る、という事で、体調管理をされ、復帰第一目にオープニングに来てくださったのです。なかなか人が引かないオープニング会場を無理矢理締めてからレストランに連れ出してくださり、目が飛び出るくらいおいしい上海料理をこれ以上食べられないくらいご馳走してくださり、なんと11時近くまで私たちをもてなしてくれたんです。


新しく一緒にやる事になった2人のアーティストも気に入ってくださり、他のギャラリーでも早速展覧会の話が進んだりで、今回の香港は、前回と比べものにならないくらいいい出張になりました。前回は風邪を引いてただただ辛かった事を思い出します。




2010年2月9日火曜日

谷口登茂子、吉光健大「呼吸」展 @ Art Beatus in香港




香港の老舗現代アートギャラリー、Art Beatusにて3月5日から26日までARIのアーティスト、谷口登茂子と吉光健大による展覧会「呼吸」が開催されます。



日本に古来から伝わる「気」。

「気」とは、「心」からでている目に見えない一種の触覚、波長のようなものであり、別のいい方をするならば「呼吸」という。呼吸とは、吐く行為と吸う行為の二つの行為を差している。切っても切れない関係。二つの行為の間に存在する「間」が、様々なリズムを生みだす。自身で感じる生命のリズムであり、そのリズムが相手に与える印象を造り出す。又、二人の人間の間に存在する呼吸のリズムが、二人の間に特別な関係を生み出す。

戦前に生まれ、戦後の広島で育った谷口と、30年以上経った戦後に生まれた吉光は世代の差こそあれ、「戦争」をきっかけにその制作スタイルを探求するところに共通点を見いだせる。

谷口は、広島の地で親戚を原爆で亡くし、今でも忘れる事ができない苦い想い出を胸の内に抱えている。「今という一瞬が存在するのは過去と未来を共に生きていること」と主張する谷口は、命が循環し、連鎖を繰り返す事を願ってやまない気持ちの現れであり、その思いがこの度の作品に「時間差」のコラージュとして表現されている。コラージュの間の線は、絆そのものであり、呼吸する生命の間を表している。

また吉光は、日本の現代の若者の多くがそうであるように、平和な日本でぶつける対象がない為に起こる虚無感や不穏さといった感情に向き合いながら、世界中に尚も存在し続ける「戦争」に目を向ける事でそのナイーブな内面をキャンバスの上に吐き出している。今回挑戦しているキャンバスに施された油彩を「えぐり取る」表現は、吉光が感じる現代の飽和状態にメスを入れ、過去に日本が体験した、又、今も尚続いている世界各国の戦争へのやりきれない思いをぶつけている。

張りつめる二人の「気合い」。この緊張感から生まれる二人のリズムは、言うまでもなく二人の「呼吸」となって、来場者の心に届くことでしょう。


展覧会         :「呼吸」
アーティスト      :谷口登茂子、吉光健大
会期          :2010年3月5日(金) - 3月25日(木)
時間          :11:30 - 19:30 (月 - 土)
オープニングセレプション:3月5日(金)18:00 - 20:00
会場          :Art Beatus
         50 Peel Street, Central, Hong Kong (new space)
               香港中環卑利街50號(新舖)
               tel : +852-2526-0818 (head office)
               email : dyiu@artbeatus.com.hk
               http://www.artbeatus.com
キュレーター      :中村友香 (ARI)

<アーティスト>
谷口 登茂子
第2次世界大戦中のソ連に近い北朝鮮で生まれ、終戦直後に日本へ帰国、原爆直後の広島で育つ。破壊と生産を繰り返す人間が地球上の全体のバランスを崩している事を痛感しながらも、連鎖する生命の神秘にも目を向け、循環
する命の大切さを訴えかけている。

吉光健大
1976年、神奈川県生まれ。2002年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。可能性を秘めた存在に強く惹かれる吉光は、自身を被害者にも加害者にもなりえる存在として認識し、制作や展示の場で自己の存在の確認作業として他
者とのコミュニケーションを築いている。

<ギャラリー>
Art Beatus
1992年に設立された、香港の中心、ギャラリーが多数点在するエリア、セントラルのSOHOに位置する現代アートのギャラリー。中国コンテンポラリーアートを扱う他、海外からの才能あるアーティストも常に探している。カナ
ダのバンクーバーに支店を持つ、インターナショナルなギャラリー。

<キュレーター>
中村友香
約10年間のニューヨーク滞在で映像を学び、帰国後広告やデザインのプロデュース業務を経て、2009年に独立。東京を拠点に国内のアーティストを世界に向けて発信し、又、海外のアーティストを国内に紹介する、アーティスト
マネージメントオフィスARIの代表を勤める。

展覧会詳細は、ARI中村までお問い合わせください。

ARI art management office
email   : yuka@ari-art.net
mobile : 080-3244-6992
fax        : 045-546-2361

2010年1月29日金曜日

香港展覧会準備中

3月5日〜3月25日まで開催される、ARIの2人のアーティスト、谷口さんと吉光くんによる展覧会「呼吸」がいよいよ開催間近になってきました。

成り行きとは言え、私にとってキュレーターとしての肩書きでの初の仕事となります。今回の動きは、薄々はキュレーターっぽいな〜とは思っていましたが、ギャラリーのプレスリリースをチェックしていた時に、堂々とキュレーターとして紹介されていたので、ちょっとドキドキしました。

こんな感じの流れでした。

5月 Art Beatusへアーティストのプレゼン
7月 アーティストを連れてディレクターとオーナーに紹介~展覧会決定
8月 契約内容の確認
8月~10月でコンセプトを詰めて、英訳してギャラリーに提出
11月 香港へ行き、スペースと搬入経路の確認。作品点数や搬入方法、時期も確認。
12月 ギャラリーが展覧会プレスリリースを開始
1月 ARIとしても展覧会情報を配信
2月 作品シッピング
3月 展覧会

ざっとこんな感じでした。

8月以来、この展覧会開催に向けてアーティストとプロジェクトを組んで、毎週火曜日の夜に集まり、コンセプトを話し合ったり、作品のチェックをしたり、谷口さんの夕飯をご馳走になったり、ワイン飲んだりしながらみんなで作り上げました。だから、私だけがキュレーターなのではなく、みんなで作り上げていった感じです。

今回は、殆ど新作なので、制作ペース等を考えると、これでも結構ぎりぎりのスケジュールでした。1回やってみないとわからないものですね。まだまだ先だ〜って思ってたんですが。気がつけば、来月すぐにシッピンングの見積もり査定の日が来てしまいます。谷口さんも吉光くんも今まさに追い込み中。がんばってください。

、、、でももっと短いスパンでこなす展覧会がシンガポールで5月に開催予定。まだステートメントも書いてない、、、がんばります。


2010年1月19日火曜日

Confabulations : シンガポールのアート雑誌のサイトスペシフィックに吉光健大作品が掲載!




シンガポールのアート系フリーマガジン「Confabulation」のサイトスペシフィックページに、ARIの吉光健大の最新作が選ばれ、堂々2ページに渡って掲載されました!

サイトスペシフィックは、既に日本語にもなってきていますが、その場を埋めるアートの事です。主に、建築物や広場にアートを絡める時に用いますが、このフリーマガジンは、アジアで活躍するアーティストの為にページを埋めてもらおう、という心意気で2ページも使ってくれています。そうすると、正確にはページスペシフィック、になるのかしら?広告料だったら一体いくらくらいになるのでしょうかね。ありがたい限りです。

ちなみに、この新作は、3月5日〜26日香港のコンテンポラリーアートでは老舗のArt Beatusというギャラリーで予定されている「呼吸 | Breathing」という展覧会に出展予定です。始めてのキュレーションを成り行きでなんと私が担当する事になり、、大丈夫かな。いや、成功させねば。まさに今、追い込みをかけているところなので、アーティストの方々共々気合いを入れねば〜。

2010年1月9日土曜日

明けましておめでとうございます。

新年明けましておめでとうございます。

2009年の年明けには、まさか自分が独立してアートマネージメントをするとは思ってもみませんでした。というか、出来るとは思ってもみませんでした。

1月末にギャラリーを辞めて、しばらくこれからの事を考えつつ、ハローワークに通っていた日々を思い出します。

いくら就職活動をしようと思っても、募集の内容を見るとどれも「時間がもったいない」と思ってしまう自分がいて、元々目指していた映画監督をもう一度目指してみようか、などと思って台本をまた書き始めたり。

ギャラリーに勤めてから、コンテンポラリーアートに少々嫌気がさして、というか、国内のシステムというか、人間関係とかにも疲れてしまった事実が大きく影響していたかもしれません。しばらくアートから離れたい気持ちが大きかったのですが、今一度前の会社を辞めた時の気持ちを思い出してみました。

「少しでもアートが人々の身近な存在となって、作家からのメッセージが詰まった作品から物の見方を変える事ができる程の衝撃を受ける事ができる事を人々に伝えたい。」

「そういう作品に人々が巡り会うチャンスを少しで作って行きたい。」

こういう気持ちがあったという事を、日常化したアート生活の中で忘れていたのが、2009年1月のこと。

色々な気持ちが重なり合う中、5月、5人のアーティストのポートフォリオを抱えて香港インターナショナルアートフェアに時期を合わせて単身香港へ行き、アジア一のアートフェアでマーケットの動向とクオリティを確認しつつ、無謀かもしれないと少々気後れしながらもギャラリー訪問でアーティストのプレゼンに踏み切ってから、上海、北京、台湾、シンガポールと活動範囲を広げて半年以上が経ち、私のにとっての「飛躍」の2009年が終わりました。

活動以来、予想以上の成果に一瞬浮き足立ちそうにもなりましたが、今年は去年の成果を確実なものにできるよう、「堅実」という言葉を抱負に掲げて行こうと思います。

2010年も引き続き、ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

2009年12月29日火曜日

穴薪ペインティングby ARI、Fotanian 2010に参加します。


香港の中心から電車で30分程度に位置する火炭芸術村に毎年1月の2週末に行われる「Fotanian」。来月行われるFotanian 2010のオープンスタジオプログラムに、ARIの穴薪ペインテンィングが、ファッションデザイン会社のParagon Designとのコラボレーションとして展示会に参加します。

まだサイトもカタログもできていないらしく、文字情報だけですいません。

スタジオ名:天開園 / Whimsy Garden
住所   :火炭桂地街10-14, 華麗工業大廈122室 
      Workshop 2, 12/F, Wah Lai Industrial Building, 10-14,Kwei Tei Street, Fotan, Shatin, N.T.)
日程   :2010年1月16日(土), 17日(日), 23日(土), 24日(日)

Tel : 852-21218796


                 穴薪ペインティング


2009年12月28日月曜日

上海でのバッドラック


12月7日〜14日まで上海に行ってきました。

今回は、人民晩報という上海の夕刊新聞の美術部編集長兼アーティストの黄先生の展覧会オープニングに行く為に企画した出張でした。

12月12日に行われたオープニングパーティーは、西洋人のアート関係者が多い上海の中、99.9%中国人参加という、私個人だったら絶対に参加する事ができない貴重な体験をしました。黄先生は新聞社の編集長なのでメディアも多くかけつけ、なにより、大きい会場が人で埋め尽くされていました。

作風は油絵の風景が多いのですが、心が落ち着き、心豊になれた感じがします。










実は、11月の香港出張中に今年一番の大風邪を引いてしまい、一瞬インフルエンザかと思いひやっとしましたが、病院に行ったら検査もしないのに、問診だけで「風邪です」ときっぱり言い切っていた日本語カタコトのお医者さん。まあ、否定するだけの知識のないも無いし、ついてないな〜と思いながら、とりあえず保険フルカバーで薬をしこたまいただいて、打合せに行っては部屋で寝て、という日々を繰り返していたので、完全に調子を取り戻すまで約1週間半かかたりして、上海出張前までは、数日の間にギャラリーのリサーチ&アポイントをマッハでやりのけた為、パソコンでメールを高速で打ちまくったせいで、手が腱鞘炎寸前になりました。

しかし、本当の「疫」は上海でその本領を発揮したのです。

上海2日目、最初の打合せが担当者の体調不良でキャンセル、雨が降っていたラッシュアワー時にタクシーが見つからず、道に迷い、重い荷物を背負って1時間のウォーキング、お世話になった知り合いとの夕食に1時間も遅刻し、さらに急いでいたためにお財布を無くし、次の日には携帯が壊れ。

一体いつまで続くのかと思い、近くのご利益がある事で有名なお寺にかけこみお祓いをする始末。ちなみに私はクリスチャンですが。



その成果かよくわかりませんが、ギャラリーへのプレゼンではすこぶる反応が良く、思ってた以上の成果があり、今後の展覧会のチャンスも既にいただきました。

上海に住み、アート関係の仕事をする事を夢見ていた3年前。住まなくてもアートを通して上海との繋がり、広がりを感じられ、とても光栄に思う次第です。